波乱万丈のPWCスペイン終了。優勝はオノラン!

Photo: PWCA

6月22日~29日の日程で、PWC第2戦がスペインのイェルモで開催された。スペイン南部に位置するイェルモは、2月~11月という長いサーマルフライトシーズンと、また毎年7月に開催される国際航空フェスティバルの会場としても有名なエリアだ。

今大会は非常に恵まれたコンディションで華々しく幕を開けた。タスク1は145.99km、タスク2は115.94km。これだけの長距離を選手たちはハイスピードで駆け抜けた。タスクトップの選手のタイムはそれぞれ3時間19分と2時間47分で、どちらも平均時速は40kmを超える速さだ。

しかし、タスク3のレース中からめまいなどの体調不良を訴えるパイロットが続出する。ゴールしたパイロット全員が病院に運ばれ、入院を余儀なくされる者も少なくない。翌日になっても実に半数以上のパイロットがフライトできない状態で、4日目、5日目はキャンセルせざるを得ない状況となってしまった。

当初は熱中症かとも囁かれたが、この説は早々に否定された。大会が終了した現時点で未だ原因は特定されてはいないものの、おそらくは何らかのウイルス性の感染症ではないかとの見方が濃厚となっている。

2日間連続のキャンセルを経た大会6日目。午前中に大会を継続の可否が検討された結果、PWCAは引き続きタスクを行うことを決定。午後からテイクオフに上がる準備が進められたが、雨の接近により急遽キャンセルとなった。

そして迎えた最終日。開催エリアのイェルモの気象条件が依然として好転しないため、先日ヨーロッパ選手権が開催されたペガラハルに移動してタスクを行うことに。

最終タスクの結果次第で約30名のパイロットに総合優勝の可能性が残されており、この日のレースは非常に白熱したものとなった。
タスクトップは、ゼノ2を駆るフランスの超ベテランパイロット、ジャック・フォニエ。続いて、レース前半出遅れていたオノランが見事な追い上げでタスク2位、今大会の総合優勝を勝ち取った。

今大会に日本から参加していた花田瞬選手は、最終タスクではトップから6分遅れのゴールで906点を獲得するも、タスク2、タスク3でのボムアウトが響き、総合99位という結果だった。

大会結果

総合(117選手中、上位10名)

順位 氏名 使用機材 得点
1位 オノラン・アマール フランス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2946.6
2位 ラッセル・オグデン イギリス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2903.7
3位 ディラン・マンスリー イギリス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2899.6
4位 アルテュール・モワンドロ フランス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2897.9
5位 アンディ・タリア フランス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2896.1
6位 マニュエル・キンタニーリャ メキシコ オゾン・エンツォ3、サブマリン 2880.9
7位 アレクサンダー・シャルバー オーストリア オゾン・エンツォ3、サブマリン 2880.2
8位 ダニエル・ティルカス ドイツ オゾン・エンツォ3、サブマリン 2879.8
9位 マルセロ・サンチェス・ヴィルチェス スペイン ニビューク・アイスピークX-One、ドリフター2 2875.8
10位 イヴァン・アース フランス オゾン・エンツォ3、サブマリン 2874
女子

1位 キャプシーヌ・デリオット フランス オゾン・ゼノ2、エクソシート 2464.5
2位 マルセラ・ウチョア ブラジル オゾン・エンツォ3、サブマリン 1175.1
チーム戦

1位 OZONE 70
2位 BEYOND REAL ESTATES 58
3位 NIVIUK 1 56

参考リンク:Paragliding World Cup Spain, Yelmo, 2024(大会結果もこちらから)

関連記事