フェルディナンド・フォーゲルがNOVAの新CEOに就任。

オーストリアはチロルに本拠地を置く老舗パラグライダーメーカー、ノバの新CEOに、35歳のドイツ人パイロットであるフェルディナンド・フォーゲルが就任した。

フェルディナンドが最初にノバのチームパイロットの一員となったのは2009年のこと。イタリアのバッサノにて、トニー・ベンダーとともに飛んだクロカンがきっかけだった。2015年にはノバのテストパイロット兼ワークショップスタッフとして、2018~2019年は営業部門でマネージャーとして勤務。2019年からは再びテストパイロットを務めている。昨年には経営学の学士号を取得した。

DHVインストラクターで、2022年からドイツリーグのマネージャーも務めるフェルディナンドは、昨年からはインストラクターを指導するチームメンバーに。
また、RedBullエックスアルプス2023からレースディレクターの任にも就いている。

いちコンペティターとしてのフェルディナンドの経歴も輝かしいものだ。2010年にコンペを始め、2013年にはドイツチャンピオンとなり、ドイツのクロカン記録を更新。2016年以降はドイツ代表チームに名を連ねる。昨年のPWCトルコでは2位。

フェルディナンドは新しい役職に就く抱負を次のように語っている。
「過去15年間、私はサービス、セールス、開発といったさまざまな側面からノバの事業に携わってきました。これまで培ってきた経験と経営学の知識を、マネージング・ディレクターという立場で存分に活かしていきたいと考えています。新しい挑戦と、ノバのチームとともに未来を形作っていくことを楽しみにしています」

さて、1週間ほど前に発表されたこのニュース。SNSのノバのポストには多くの祝福と激励のコメントが寄せられているが、その中にはちょっと気になるコメントも。

現在、来年度の参加アスリートの受付期間中のRedBullエックスアルプスに、新しいルールが加えられた。それが、使用ハーネスのサイズはアスリートの身長の70%以下でなくてはいけないという新ルール。このルールに則ると、先日開催されたエックスピレネーに合わせてマキシム・ピノがNEOと共同開発した、いわゆるサブマリンタイプの超軽量ポッドハーネス「NEO Pro Model」は来年度のエックスアルプスでの使用はできなくなる。

このタイプのハーネスを認めないとする理由や基準が説明されていないことから、ノバの新CEOがエックスアルプスのレースディレクターという立場で、自社に有利に働くように働きかけたのでは?という疑問が書き込まれているのだ。

まったく憶測の域を出ないコメントながら、少々気になるのも確か。エックスアルプス側から、新ルールの根拠が示されることを期待したい。

エックスピレネー2024でマキシム・ピノが使用したNEO Pro Model。まだ市販化はされていない。

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