AJ第4戦
2024パラグライディングアキュラシー日本選手権in南陽
開催日:10月12-14日 開催エリア:山形県 南陽スカイパーク
Report: 鈴木洋史
2024-10-12 Day1
天気予報では午後から北風が入る予報のため、南陽名物の雲海が晴れたタイミングからすぐに競技をスタート。
この日好調だったのは花田瞬選手で、3ラウンドを「7→3→7」の1桁スコアで纏めトップに立つ。昨年の日本選手権者・岡芳樹選手はこちらも「12→8→16」のパッドスコアで3ラウンドを終え2位につける。
この日は予報通り4ラウンド途中でフォローが強まり中断となった。3位には最若手19歳の横田開選手が入り、両名を追いかける展開。
女子は橋本みさ紀選手がスクラッチでも9位に入るスタートでこの日トップ。それを菊田久美選手、昨年の女子日本選手権者の伊藤まり子選手が追う展開だ。
2024-10-13 Day2
この日は若手2名が勢いに乗る。花田瞬選手は6Rに「49」を出すものの、それ以外はこの日行われた3ラウンドをすべて「3」以下のスコアで纏め、この日もトップをキープ。横田選手はなんとこの日飛んだ4本の合計がなんと「9」!自身初の0ステッカーも獲得し、順位も2位へ浮上した。
5ラウンド終了後にワーストの1本が消えたため順位変動が起き、今年の朝霧で連勝を飾った河本選手が6ラウンド終了時点で1時2位まで浮上するも、7ラウンドで痛恨のミス。順位を5位まで落としてしまう。
ベテラン岡選手もこの日は6Rでミスをするも、集中を切らさず最終7ラウンドでもパッドを踏み3位。若手2人にベテランが食らいつく展開で8Rへ突入するも、予報通り14時前にフォローが入り始め、8Rは18名を残してこの日の競技を終えることとなった。
女子はこの日も橋本選手がパット1本を含む安定した成績でスクラッチ総合も7位へ浮上。菊田選手はこの日2本のパットを踏むも、合計点数をまとめた伊藤選手が上回り順位が逆転。両名の点差は2点と大接戦。
2024-10-14 Day3
朝から強めの東風が入る予報。雲海が明けて凪の時間に8Rを終わらせるべく、準備を開始する。
アゲンストの風が入り始めダミーが準備を始めたが、テイクオフ前方で遊んでいた横田選手の玩具の凧が急なサイドの風に煽られるのを見てすぐにセーフティコミッティが招集され、協議の結果この日の競技の中止が決定された。
前日の7ラウンドまでの結果から、今年の日本選手権者は男子が花田瞬選手、女子が橋本みさ紀選手となった。おめでとうございます!
競技委員会としては若い選手が台頭してきてくれたこと、また日本のアキュラシーを引っ張ってきたベテランが同じ表彰台に乗っていることにとても感慨深いものを感じる結果となった。
今後も若手が増えてくれることを願うとともに、現在競技に参加してくれているベテラン選手もお互いに刺激しあって今後も競技のレベルと安全性が向上してくれることを願うばかりである。
新・アキュラシー日本選手権者 花田瞬選手のコメント
「当日は苦手だった、風が弱めのコンディション。特訓した通り5ラウンド目までは無事すべてて、一桁台でまとめました。6ラウンド目で痛恨のミスでパット外に降りてしまいましたが、次はしっかりと修正し、執念で3㎝。もう外さないと自信が戻ってきたところで、風が悪くなり優勝が確定しました。
ライバルパイロット達も調子が良かったため、崩れず等身大で勝ち抜けたことを嬉しく思います。
2位の横田選手、女子優勝の橋本選手を初め、多くのダビンチユーザーの方と勝利を共有でき、そして何より、自分たちで作ったグライダーの性能を出し切って、日本選手権者になれたことが幸せです。
次は世界と戦えるように、数センチの調整を練習していきます」
新・アキュラシー女子日本選手権者 橋本みさ紀選手のコメント
「もともとはお遊び気分で、借り物の機体で始めたアキュラシー競技。楽しんでいるうちにいつしか本格参戦するようになり、数年経ちました。そしてようやくたどり着いた『日本選手権者』。やっと…と安心したのが正直な気持ちです。
今回の日本選手権の総合表彰台には10代から70代までの選手が立ちました。そんな競技者層の幅広さもアキュラシーの魅力です。これからもベテラン、ルーキーたちと、切磋琢磨しながら一緒に楽しく競技を続けたいです」
大会結果
スクラッチ・オープンクラス
順位 | 氏名 | 使用機体 | 得点 |
1位 | 花田 瞬 | Davinci Point2 26 | 24 |
2位 | 横田 開 | Davinci Rhythm2 M | 43 |
3位 | 岡 芳樹 | Ozone Moxie S | 82 |
4位 | 森山 拡 | BGD Adam M | 223 |
5位 | 河本 勇吉 | SKYWALK Mescal5 M | 228 |
5位 | 和田 浩二 | BGD Adam M | 228 |
スクラッチ・オープンクラス女子
1位 | 橋本 みさ紀 | Davinci Rhythm2 XS | 437 |
2位 | 伊藤 まり子 | Davinci Rhythm2 XS | 710 |
3位 | 菊田 久美 | Davinci Ryhthm2 XXS | 712 |
U-26クラス
1位 | 花田 瞬 | Davinci Point2 26 | 24 |
2位 | 横田 開 | Davinci Rhythm2 M | 43 |
ハンディキャップクラス
1位 | 花田 瞬 | Davinci Point2 26 | – |
2位 | 横田 開 | Davinci Rhythm2 M | 1 |
3位 | 岡 芳樹 | Ozone Moxie S | 6 |
チーム戦
1位 | ひなたぼっこ(伊藤まり子、内田薫、的場和弘、内田和明) | 10 |
2位 | ぴよぴよ(和田浩二、橋本みさ紀、平野竜二) | 7 |
3位 | おむすび丸(日野政浩、菊田久美、川村眞、菊田高司) | 5 |
関連リンク:JHFパラグライディング競技委員会「2024 パラグライディングアキュラシー日本選手権 in 南陽」(大会結果もこちらに)