平木啓子が女子準優勝!第14回PWCスーパーファイナル

2月4日~15日の日程で、コロンビアのロルダニーニョにて第14回PWCスーパーファイナルが開催された。

2024シーズンのPWCチャンピオンを決するこの大会。例年非常に高いフライト確率が約束されるこの時期のロルダニーニョで、前週、前々週に開催されていた大会ともに全タスクが成立していたのだが、スーパーファイナルのタスクがスタートする前日から天候は一転。
豪雨に見舞われる日も少なからずあり、タスクが予定されていた12日間中、成立したのは半分の6タスクのみ。ロルダニーニョで開催された大会において史上最低の確率となってしまった。

 

大会期間中、あまりに雨が続き鬱憤が溜まった選手によって作成されたジョーク画像。

飛べない日が続いたストレスも影響したのか、はたまた年々人気が高まり多くのパイロットがフリーフライトに押し寄せることで空域が飽和状態となっていたためか、成立したタスクでは連日のように空中接触が発生。日本の小林大晃選手も、雲から出てきたフリーのパイロットに接触されるという不運に見舞われてしまった(それでも破損したグライダーで無事にゴールまで到達した)。

そんな厳しい大会を、最後まで怪我なく飛びきった全選手に、まずは拍手を送りたい

優勝は、フランスのマキシム・ピノー。最初の3タスクで連続トップを決め、続く3タスクも安定して上位でまとめ、2024シーズンPWCチャンピオンの座を勝ち取った。マキシムは今大会を振り返って次のようにコメントしている。

「PWCスーパーファイナルでの優勝は10年ぶりで、とても嬉しいと同時に少し不思議な気分でもあります。10年前は僕はたった22歳で、優勝できてラッキーだと感じていたけれど、今回はあらゆることが計画していた通りにうまくいった結果と感じています。
僕は今、若いパイロットたちにコーチングをしているのですが、これは自分の理解を深めるのに非常に役立っています。
勝因ですか? 僕は今は自分自身をよく分かっています。何が得意で何が苦手なのか分かっているので、難しい状況にあっても思考を非常にクリアに保つことができ、そして自分のベストを尽くしてパフォーマンスを発揮することができます。今大会では常にトップグループの先頭の少し高い位置をキープし、すべてを把握しながら飛ぶことができました」

女子優勝は、こちらもフランスのコンスタンス・メッテタル。タスク女子トップを3回、総合でも6位という好成績を収めている。

マキシム、コンスタンスともに、PWCチャンピオンに輝くのは2度目。なお、前PWCチャンピオンはオノラン・アマール(今回は総合4位)とメリル・デルフェリエ(今回は不出場)で、引き続きフランスが、その圧倒的な強さを見せつけた。

そして女子準優勝は、日本の平木啓子! 長年世界のトップコンペの第一線で活躍し続け、日本の多くのパイロットの憧れの存在でもある彼女が、また輝かしい結果を残してくれた。

大会終了を振り返り、平木選手は次のようにコメントを寄せてくれた。

「毎日いろんなが起きるハードな大会でしたが、大きな怪我なく無事戦い抜くことができ、まずはホッとしています。近年、女子のレベルがグングンと上がって来ているのに反し、自分は体力の衰えを痛感することが多くなり、こうした厳しい現実と向き合う中で女子2位という好成績を獲れて本当に嬉しく思います。ロルダニーニョの大きくて豊富なサーマルに包まれて、楽しく伸び伸びと飛ぶことができたのが好成績に繋がったのかな。これからも楽しく安全に、でも上位も目指して、もうしばらく頑張りたいと思います!」

大会結果

総合(119名中、上位10名+日本人選手) 
順位 氏名 使用機体 得点
1位 Maxim Pinot Ozone Enzo3/Submarine 4429.6
2位 Juan Sebastian Ospina Ozone Enzo3/Submarine 4392.1
3位 Thibault Voglet Niviuk Icepeak X-One/Ozone Submarine 4390.6
4位 Honorin Hamard Ozone Enzo3/Submarine 4388.9
5位 Tim Rochas Niviuk Icepeak X-One/Rocket 4350.8
6位 Constance Mettetal Niviuk Icepeak X-One/Drifter2 4344.3
7位 Andrei Gaia Ozone Enzo3/Submarine 4336.4
8位 Alvaro Romero Camacho Niviuk Icepeak X-One/Ozone Submarine 4334.1
9位 Tanguy Renaud-Goud Niviuk Icepeak X-One/Rocket 4334
10位 Joachim Oberhauser Ozone Enzo3/Submarine 4332.3
33位 平木啓子 Ozone Enzo3/Submarine 4203.2
76位 小林大晃 Ozone Enzo3/Submarine 3877.5
78位 岩﨑拓夫 Ozone Enzo3/Submarine 3840.9
111位 四方純 Ozone Zeno2/Niviuk Drifter2 2522.7
女子(11名中、上位3名+日本人選手)

1位 Constance Mettetal Niviuk Icepeak X-One/Drifter 2 4344.3
2位 Keiko Hiraki Ozone Enzo3/Submarine 4203.2
3位 Alexia Fischer Ozone Enzo3/Submarine 4144.8
10位 四方純 Ozone Zeno2/Niviuk Drifter2 2522.7
チーム戦

1位 Cronn Country Magazine
2位 Ozone
3位 Niviuk

 

関連記事