2025最新フライト計器情報
Report: Michel Ferrer Translated by: Yoshihiro Sato
イカロスカップのトレードショー「ICARE EXPO」では、パラグライダー&ハーネスのメーカーのみならず、ハンググライダーやパラモーター用エンジンやヘルメット、アパレルなどなど、スカイスポーツに関するさまざまなメーカーがブースを出展している。
今回はその中から、フライト計器メーカーからの最新情報をお届けします!
Berfon Air³ ベルフォン・エアキューブ
「エアキューブ(AIR³)」は、AndroidアプリのXCtrack PRO(有料版)がプリインストールされた、フライト専用のアンドロイドタブレット。
今年新しくリリースされた「AIR³ 7.35」と「AIR³ 7.35+」は、それぞれ昨年発表された「AIR³ 7.3」と「AIR³ 7.3+」の後継モデル。パイロット同士の位置共有デバイスである「FANET」と、衝突回避デバイスである「FLARM」が新たに搭載された。
FANETはFlying Ad-hoc Networkの略で、簡単に言うとインターネット接続なしでライブトラッキング機能を提供するデバイス。
インターネットを使用するライブトラッキング、FLARM、FANETにはそれぞれ長所と短所があるが、AIR³の「+シリーズ」にはそれぞれの長所がすべて備わっている。
またディスプレイがさらに明るくなり(1300ニトから2600ニトに変更)、これまで通りのディスプレイ明度をより少ないエネルギーで得られるようになったため、結果バッテリー持続時間が長くなった。
ケースには新しくボタンが搭載され、使い勝手が向上している。
デバイスはAndroid13で動作するようになり、音声認識機能が向上した。
FLYMASTER フライマスター
フライト計器市場で大きなシェアを誇るポルトガルの有名メーカーであるフライトマスターは、新しいトラッカー「ライブワン(Live One)」を発表した。
バリオと速度計を備えており、新しく搭載されたディスプレイには次のターンポイントの方向が矢印で示してくれる、小さいながらコンプリートなフライト計器だ。
競技会における公式トラッカーとして使用されることを想定し開発され、ターンポイントに到達するとアラーム音が鳴る仕様。
ライブワンでは、フライト中に競技主催者からのメッセージを受信することができ、またフライトコンディションの安全度を示すレベル(レベル2またはレベル3)を簡単に、直接送信することができる。
ベーシック、アドバンス、プロの3つのバージョンがあり、FLARMとブルートゥースが、オプションからバージョンによっては標準装備される。
充電はUSBソケットで行う。プロバージョンのケースでは、40個の同時充電が可能だ。
NAVITER ナビター
ナビターの最新モデルは2024シーズン半ばにリリースされた「オムニ(Omni)」。
オムニはウーディーN(Oudie N)と同じ機能を持っている『弟分』で、縮小フォーマット、適度な重量、ハイパーコンプリートで、ハイク&フライには理想的だ。
ナビターのチームは、エックスアルプス2025のパートナーとしてライブ追跡システムのプロバイダーとなることに非常に誇りを持っている。
SkyBean スカイビーン
レジャーパイロット向けの新しいフライト計器が、2025シーズンの発表に向けて準備中だ。
写真撮影禁止の極秘扱いだったため、残念ながら外観をお見せすることはできないが、縦横9cmほどの正方形フォーマットで、大型ディスプレイを備え、速度計とGPSとブルートゥースを含むコンプリートデバイスだ。
そして、非常に頑丈にできている! 試しにドライバーで画面を引っ掻こう試してみたが、まったく傷跡がつかなかった。
Stodeus ストデウス
ブルートゥースを搭載した2つの計器、「ウルトラビップ(UltraBip)」と「ブルービップ(BlueBip)」用のアプリが開発されて、まもなく利用可能になる。
このアプリで特に注目したいのが、何人かの有名パイロットのバリオプロフィールが記録された「コンフィグ・インターフェース(Stodeus Configurator)」へのアクセスが提供されること。これでお気に入りのチャンピオンやパイロットと同じバリオ設定でフライトができるようになる。
ミニバリオ・ストデウスの塗料を保護する小型の保護シリコンシェルも売られている。
Syride シライド
「シス・エヴォリューション(Sys Evolution)」に代わる新しい計器「シス・エヴォV2(Sys Evo V2)」が2024年末にアナウンスされる。
「開発に7年かかった。すべて見直したよ! パワーが4倍アップしてより高速で直感的で、ブルートゥースのコネクティビティを改良して、シライドのアプリを経由して競技のQRコードをスキャンして計器に直接送信する。
そして、位置情報共有手段として、FLARMに相当する新しい公的サービスのADS-Lが統合された。
ADS-Lはパラグライダーあるいはドローンなどの小型航空機をよりターゲットにしている。これによって、アプリの「ライブ(Live)」を介した「シスナヴXL(Sys Nav XL)」を含むシライド計器を装備したフライト仲間の追跡が可能となる。
その後、ADS-L搭載の他の計器を装備した仲間の追跡も可能になる。
XC Tracer XCトレーサー
「ミニ5(Mini 5)」と「マックス2(Maxx 2)」は、共にFanet-Flarmを搭載しているが、新しいWebアプリ(my.xctracer.online)によって、スマートフォンと接続可能になった。これにより、フライトをダウンロードするのにPCが必要でなくなった。
無料で、空域と計器コンフィギュレーションに関するアップデートが含まれている。