【大会レポート】2024スカイグランプリin吉野川

Jリーグ第8戦・2024スカイグランプリin吉野川
開催日:11月2-4日 開催エリア:徳島県 吉野川フライトエリア

Report&Photo:JHFパラグライディング競技委員会

2024-11-02 Day1
Cancelled

今年も楽しみなFAIカテゴリー2大会の吉野川J! 中国の選手を含む猛者80人が集結した。
初日は11月としては記録的となる豪雨に見舞われ、前日からキャンセル決定。

2024-11-03 Day2
33.7㎞ Race to Goal

朝の時点では飛べない程の北東強風だが、午後に弱まる予報。山頂に上がるとすでに雲は高く、天気の移り変わりが早い模様。
昼頃には東からの強風は緩み始め、東(北岸では鶏小屋)~少し西に戻り(三頭奥)~少し東~メインLDの33.7kmのタスクが組まれた。
北成分はさほどなく、吉野川の南北岸又は沖のどこを進むのか、名物の谷渡りが鍵。

難しい東向きにテイクオフ。東側のボウルではリフト周りのシンクがきつく、低いと荒れ気味。何とか凌ぎ、スタートの頃にはサーマルトップは1600mオーバーまで成長。

まず、定石通りに最短で北岸の紅葉温泉に向けて稲見、隅が谷渡りを成功させる。上げはボチボチながら安定したルートで、平木、熊谷等が続く。
次に、少し東に進みつつ三頭につけるのは難しいと判断した橋本、荒井、伊澤はモトクロス尾根へ。ここでいい上げに出会った橋本が頭一つ抜けるが、鶏小屋で大スタック。
一方、紅葉温泉の上げがボチボチなのを見ながら、弱いリフトラインを繋いで谷を渡った和田、竹尾は三頭に着き良いサーマルで上昇、更に東に進んでから三頭に低く着いた山下も、粘り強く上げ直しに成功。

和田らは一気に1300mを超え最東の鶏小屋へ、奥側のラインに乗り難なくクリア。谷風がブロックされた三頭東では風が収束して良いリフト帯になり、しっかり上げればタスクは簡単。この日の風を見切った和田は、1時間7分の超速でトップゴールを決めた。
続いて、伊澤、稲見、女子トップで山下、荒井、竹尾、中村、平木、隅とCCC乗り9人のみがゴール者となった。

和田や山下のルートに続く者が多かったが、10kmを超える斜めの谷渡りは難易度が高く、低くなり強い谷風に次々と捕まり、DQは0.259…。

2024-11-04 Day3
50.5km Race to Goal

風は弱く、昼間は天気が良く、好条件が期待された。組まれたタスクは鶏小屋~西に戻って八角~三頭やや東~少し西に戻り~東にクロカンする50.5km。疑義なし!

テイクオフは予報通りの南寄りの西風。順調に選手達はサーマルを育て、1600m近くで8kmの谷渡りを開始。

良い高度で着いた北岸はもちろんバンバンと思いきや、無情にも過去稀にみる激渋!! 稜線の高さでは稜線と平行に西風が吹き、低め位置ではこの西風が吹き下ろしに。

選手は右往左往し、きっとブレークするはずと耐え続けるが…稜線ですら周期の長いバブルしかなく、たまに出るリーサイドサーマルは荒れ気味で、かなり苦しい条件。
後続も続々と高めに谷渡りを成功させるが、尾根途中のリフトに寄るうちに吹き下ろされ、稜線に乗れた人は数名のみ。

早めに谷渡りを済ませた後、稜線近くを死守した山下がトップでスタートを切り三頭に駒を進めるがスタック。多賀がここを高く越えて竜王山の稜線に乗ると、西風がやっと上昇成分となり雲底まで。
これに続くのは長島、スポーツ(?)上山、そして伊澤。鶏小屋を高く奥側で折り返して竜王山に戻るが、曇り始め渋くなりここを抜けても八角で撃沈。

遅れた山下は竜王山で粘り上げ直し、また、三頭正面に回り込んだ長島、尾根先を繋いだスポーツ原が少し条件が回復した曇り空を八角へリターン。
吹き下ろしの中、ファイナルレグまで駒を進めた山下が降りた頃の晴れ間に合わせた長島は、山頭で高度を稼ぎこの日の最長34km、タスクトップとなった。
DQ1.0が期待されたが、0.137…残念。

結果、2タスクとも難しい条件を読み切りこなした山下と伊澤がワンツー、山下は悲願の総合初優勝。スポーツでは2日目総合3位の原が優勝。

スタッフの皆さんには悪天候等あり気苦労の耐えない大会運営だったかと思いますが、本当にありがとうございました。怪我なく飛べたのが何よりで、次こそは皆で吉野川のビッグタスクを飛びきりたいと思います!

大会結果

総合

順位 氏名 使用機体 得点
1位 山下 敦子 Ozone Enzo3 S 352
2位 伊澤 光 Niviuk X-One 22 332
3位 和田 浩二 Ozone Enzo3 M 295
4位 竹尾 雅行 Ozone Enzo3 M 275
5位 稲見 祐二 Ozone Enzo3 S 270
6位 荒井 大悟 Ozone Enzo3 S 263
女子

1位 山下 敦子 Ozone Enzo3 S 352
2位 平木 啓子 Ozone Enzo3 S 256
3位 吉原 紀子 Ozone Zeno2 MS 109
スポーツクラス

1位 原 健一 Ozone LM7 MS 155
2位 上山 太郎 Davinci Mambo M 130
3位 花村 泰明 AirDesign Rize5 S 110
4位 瀧鼻 秀明 Ozone Photon MS 110
5位 北嶋 康嗣 Skywalk X-Alps4 M 104
6位 鈴木 彩 Ozone Alpina4 XS 98

関連リンク:2024スカイグランプリin吉野川(JHFパラグライディング競技委員会)(大会結果もこちらに)

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